ちょっと贅沢なヨーロッパ:歴史と芸術、そして美食

「旅を思い出すことは、人生を2度楽しむことである」

歴史と美が交差する…憧れのヴァンドーム広場を歩く④

個性豊かなジュエリーメゾンやラグジュアリーなホテルに彩られたヴァンドーム広場

その中心に威風堂々とそびえ立つヴァンドームの円柱は、この広場の象徴であり、フランスの歴史を物語るモニュメントです。今回は、ヴァンドーム広場の誕生と、この円柱に秘められた壮大な物語に迫ります。

 

 

ルイ14世の栄光を讃える広場:その誕生と変遷

ヴァンドーム広場は、17世紀末、太陽王ルイ14世の命により建設がスタート。絶対王政の象徴として、自らの栄光を讃えるための広場を構想し、当初は中央に彼の騎馬像が設置され、「征服広場」と呼ばれていました。

 

しかし、フランス革命の嵐が吹き荒れる中、王権の象徴であった騎馬像は破壊されてしまいます。その後、ナポレオン・ボナパルトの時代となり、広場は新たなシンボルを授かることになります。

それが、現在も広場の中心に立つ「ヴァンドームの円柱」です。

 

アウステルリッツの戦いを刻む:ヴァンドームの円柱

1805年、ナポレオン率いるフランス軍は、アウステルリッツの戦いでロシア・オーストリア連合軍に大勝利を収めます。この輝かしい勝利を記念し、ナポレオンは戦利品として得た大砲1200門を溶かして、古代ローマトラヤヌス帝の円柱を模した巨大な円柱を建立することを命じました。

こうして1810年に完成したのが、高さ44メートルにも及ぶ「ヴァンドームの円柱」です。

 

 

円柱の表面には、アウステルリッツの戦いにおけるフランス軍の勝利の様子が、螺旋状に浮き彫りで描かれています。兵士たちの勇ましい姿、戦いの激しさ、そして勝利の喜びが、まるで映画のワンシーンのように生き生きと表現されています。この浮き彫りは、下から上へと螺旋状に展開していくことで、まるでフランス軍が勝利に向かって進軍していくかのような印象を与えます。

 

革命と王政復古、そして再びナポレオンへ:円柱の運命

ヴァンドームの円柱は、フランスの歴史の激動とともに、幾度かの変遷を遂げました。王政復古の時代には、ナポレオンを象徴する円柱は撤去され、ルイ14世の像が再び設置されました。しかし、1833年には、ルイ・フィリップ国王の命により、円柱は再びヴァンドーム広場に戻されます。頂上にはナポレオンの像が設置されましたが、これも普仏戦争後に撤去。最終的に、1874年に現在のナポレオン像が設置され、現在に至ります。

 

歴史の証人:円柱が今に伝えるもの

ヴァンドームの円柱は、単なる戦勝記念碑ではありません。フランスの歴史の激動、革命と王政復古、そしてナポレオンの栄光と挫折を、静かに見守ってきた歴史の証人です。円柱に刻まれた戦いの情景、そして円柱自身の数奇な運命は、訪れる者にフランスの歴史の重みと、平和の尊さを語りかけてくれます。

 

ヴァンドーム広場を訪れた際には、ぜひ円柱の周りを一周し、その壮大なスケールと歴史の重みを感じてみてください。そして、円柱を見上げながら、フランスの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

歴史と美が交差する…憧れのヴァンドーム広場を歩く③

ナポレオンに愛された輝き ~ショーメの華麗なる歴史と魅力~

前回はヴァンドーム広場に集うジュエラーをおおまかにご紹介しました。今回はショーメの魅力を深く掘り下げてご紹介します。

 

ヴァンドーム広場に燦然と輝くショーメは、ナポレオンの時代から現代に至るまで、最高峰のジュエリーメゾンとして世界中で愛され続けています。

 

マリー・アントワネットの宝石商から、ナポレオンの御用達へ

ショーメの歴史は1780年、マリ・エティエンヌ・ニトがパリに宝飾工房を設立したことに始まります。

才能あふれるニトは瞬く間に頭角を現し、フランス王妃マリー・アントワネットの御用達宝石商にまで上り詰めました。

 

フランス革命という激動の時代を乗り越えて、ニトの後継者となったジャン=バティスト・フォッサンは、ナポレオン・ボナパルトの最初の妻であるジョゼフィーヌ皇后の目に留まります。

 

フォッサンは、ナポレオンとジョゼフィーヌ戴冠式に用いられた宝剣や、二人の結婚を記念した豪華なティアラなど、数々の傑作を制作。

ナポレオン帝政期を代表するジュエラーとして、ショーメの名声は不動のものとなりました。

 

受け継がれる卓越した技術と、自然の息吹を感じるデザイン

ショーメのジュエリーは、その精緻な細工と卓越した技術によって、他に類を見ない輝きを放ちます。

ダイヤモンドをはじめとする宝石の選定から、セッティング、研磨に至るまで、すべての工程に熟練の職人たちの情熱と技が注ぎ込まれています。

また、ショーメのデザインは、自然からインスピレーションを得たものが多く、繊細な曲線や優美なモチーフが特徴的です。麦の穂をモチーフにした「リアン」コレクションは、ショーメのアイコンの一つとして、永遠の愛や絆を象徴しています。その他にも、月桂樹やティアラなど、メゾンの歴史と伝統を反映したモチーフが数多く用いられています。

 

ヴァンドーム広場12番地:歴史が息づく特別な場所

ショーメの旗艦店はヴァンドーム広場12番地という特別な場所に位置しています。

この建物はかつて作曲家フレデリック・ショパンが最晩年を過ごした場所としても知られています。歴史的建造物であるこの場所で、ショーメは2世紀以上にわたり、その輝かしい歴史を紡いできました。

 

ブティックに足を踏み入れると、重厚な歴史と洗練された現代性が融合した、独特の雰囲気に包まれます。

ショーメのジュエリーを眺めながら、ショパンが奏でるピアノの旋律に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

ショーメは単なるジュエリーメゾンではなく、フランスの歴史と文化を体現する存在です。その輝きは、時代を超えて人々を魅了し続け、未来へと受け継がれていくことでしょう。

 

ヴァンドーム広場を訪れる際には、ぜひショーメのブティックに足を運び、その歴史と魅力に触れてみてください。きっと、忘れられない体験となるはずです。

歴史と美が交差する…憧れのヴァンドーム広場を歩く②

前回はヴァンドーム広場の歴史や概要、周辺情報をご紹介しました。

今回はこの特別な場所に集うジュエラー、特にグランサンクと呼ばれる5大宝飾店にフォーカスして、それぞれの魅力と歴史に触れていきます。

 

グランサンク (Grand Cinq) とは?

フランス語で「偉大な5」を意味するグランサンク

19世紀から20世紀初頭にかけて、世界的に名を馳せた5つのフランスの宝飾店を指します。その輝かしい歴史と伝統、卓越した技術、そして比類なき創造性によって、世界中の王侯貴族やセレブリティを魅了し続けてきました。

 

ショーメ (Chaumet): ナポレオンに愛された皇帝御用達ジュエラー

1780年創業のショーメは、ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌをはじめとする皇室御用達ジュエラーとして歴史をスタートさせました。繊細な装飾と卓越した技術で、時代を超えて愛され続けています。自然をモチーフとしたデザインも特徴的で、特にペアシェイプカットのダイヤモンドと繊細なティアラモチーフが印象的な「ジョゼフィーヌ」コレクションは、現代のショーメを代表する人気コレクションです。

 

ブシュロン (Boucheron): 革新的なデザインで時代をリード

1858年創業のブシュロンは、ヴァンドーム広場に最初にブティックを構えたジュエラーです。革新的なデザインと大胆な素材使いで知られ、常に時代の先端を走り続けています。代表作である「キャトル」リングは、異なる素材とテクスチャを組み合わせた独創的なデザインが人気です。また、自然からインスピレーションを得た「セルパンボエム」コレクションも、ブシュロンの創造性を象徴する作品です。

 

ヴァンクリーフ&アーペル (Van Cleef & Arpels): 妖精の魔法が宿る詩情あふれるジュエリー

1906年創業のヴァンクリーフ&アーペルは、愛と夢、そして自然をテーマにした、詩情あふれるジュエリーで世界中を魅了しています。妖精やバレリーナ、動物などをモチーフにした作品は、まるで魔法がかかったかのような繊細な美しさで、見る者を夢の世界へと誘います。「アルハンブラ」コレクションの四つ葉のクローバーモチーフは、幸運の象徴として愛され続けています。

 

メレリオ・ディ・メレー (Mellerio dits Mélé): 王室御用達の歴史を誇る老舗

1613年創業のメレリオ・ディ・メレーは、グランサンクの中でも最も古い歴史を誇り、ヨーロッパの多くの王室の御用達を務めてきました。その歴史は17世紀初頭にまで遡り、400年以上にわたり受け継がれてきた savoir-faire(サヴォアフェール:専門技術・技能)は、比類なき輝きを生み出します。繊細なディテールと高貴なデザインは、メゾンの長い歴史と伝統を物語っています。

 

カルティエ (Cartier): 王の宝石商、宝石商の王

1847年創業のカルティエは、「王の宝石商、宝石商の王」と称された名門メゾン。パンテールをモチーフにした「パンテール ドゥ カルティエ」コレクションをはじめ、数々のアイコニックなジュエリーや時計を生み出してきました。洗練されたデザインと最高級の素材、そして卓越した職人技が融合した作品は、世界中のセレブリティを虜にしています。

 

ヴァンドーム広場は、これらのグランサンクをはじめ、数々の名門ジュエラーが輝きを放つ、まさに宝石箱のような場所です。それぞれのメゾンの歴史や哲学に触れながら、美しいジュエリーを堪能してみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない、特別な時間を過ごすことができるでしょう。

エレガントなパリの象徴!ヴァンドーム広場の魅力を徹底解剖

歴史と美が交差する…憧れのヴァンドーム広場を歩く①

パリの中でもひときわ優雅な雰囲気を漂わせるヴァンドーム広場。老舗ジュエラーや5つ星ホテルが立ち並び、女性の憧れが詰まっています。

今回はそんなヴァンドーム広場の歴史や見どころ、周辺情報まで詳しくご紹介します。特別な魅力に迫りましょう!

 

ヴァンドーム広場の歴史

ヴァンドーム広場は、ルイ14世の命により17世紀末に建設が開始されました。元々はルイ14世の騎馬像が中央に置かれ、彼の栄光を称えるための広場として設計されました。しかし、フランス革命中に騎馬像は破壊され、その後ナポレオンの命によって現在の円柱「ヴァンドームの円柱」が建てられました。

 

建築様式と特徴

ヴァンドーム広場は、均整のとれた八角形の形状が特徴です。周囲を統一感のある美しい建物が囲み、そのファサードは古典的なフランス建築の粋を集めたものとなっています。建物の1階部分には、高級ジュエラーやブランドショップが軒を連ね、ショーウィンドウを眺めるだけでも贅沢な気分に。

広場の中央にそびえ立つヴァンドームの円柱は、広場のシンボルであり、パリの街並みに壮麗なアクセントを加えています。

 

憧れのブランドが集結!ショッピングスポット

ヴァンドーム広場といえば、世界的に有名な高級ブランド店が集中していることでも知られています。ショーメ、カルティエ、ブシュロン、ヴァンクリーフ&アーペルなど、憧れのジュエリーブランドが勢揃い。

見ているだけでもため息が出るような美しいジュエリーや時計の数々は、まさに目の保養。

特別な記念日や自分へのご褒美に、とっておきの一品を探してみてはいかがでしょうか。

 

5つ星ホテルで優雅なひとときを

ヴァンドーム広場周辺には、リッツ・パリやホテル・ド・ヴァンドームなど、世界屈指の5つ星ホテルがいくつかあります。

滞在しなくてもホテルでの食事やアフタヌーンティーを楽しむのもおすすめ。優雅な空間で、美味しい紅茶とスイーツを味わいながら、特別な時間を過ごしてみませんか?

 

周辺の観光スポット

ヴァンドーム広場は、ルーヴル美術館オペラ座、チュイルリー庭園など、パリの主要な観光スポットからも徒歩圏内にあります。

ヴァンドーム広場を訪れた際には、これらのスポットも合わせて巡るのがおすすめです。

 

歴史と美、そしてエレガンスが融合したヴァンドーム広場は、パリを訪れたらぜひとも一度は訪れたい場所。

そのラグジュアリーな雰囲気に浸りながら、素敵なひとときを過ごしてください。

ヨーロッパ旅行ブログ始めました!

初めまして。海外旅行好きのMaryと申します。

次の旅先を夢見るワクワク感、そして現地の空気を感じながら過ごす忘れられない思い出… 特にヨーロッパの街並みは、私をいつも魅了します。

f:id:OpulentVoyageEscapes:20241013170638j:image

このブログでは、ガイドブックには載っていないような、自分だけのヨーロッパ旅行を楽しむためのヒントをたくさん発信していきます。

パリのカフェで優雅なひととき、プロヴァンスの美食に舌鼓、フィレンツェの路地裏を散策、プラハで歴史を刻む天文時計と対面、ブダペストで王宮の地下に潜入…

あなたは何に心惹かれますか?

コメント欄で、あなたの行ってみたいヨーロッパの街をぜひ教えてください!

憧れのヨーロッパ旅行を一緒に計画しましょう。